INTERVIEW長門で働く方々の声

INTERVIEW長門市の方だけではなくて全国の方が見て、自分たちもやってみたいと思って次々に長門市に集結するっていうのが展望です。

お話を聞いた人

Visual Marketing 株式会社土屋文人 さん

会社紹介

VISUAL MARKETINGという会社はもともとワントゥワンマーケティングに対応するいろんなソリューションを提供するために作った会社なんですが、ワントゥワンマーケティング自体が日本ではあまり普及しきれていない領域だと思うんですけど。もともと私自身が印刷に携わってきた経歴があって、その時のサービスモデルが一つの情報セットをできるだけたくさんの人に配信するために大量生産モデルに基づいたメディアを作ってきたわけですね。しかしそれらが効果がなかなか出にくくなってきたのでお客様一人一人の関心事に沿ってそれぞれ違った情報セットを作り分けるというモデルが台頭してきています。なかなか日本では実装事例がないんですけども、その分野で実績を作っていきたいと考えています。

長門市に進出した経緯

偶然、あるご縁をいただいて長門市で地方再生案件がスタートするという話を聞きました。そこで何かお手伝いできるのではないかと考えたのがきっかけです。行政の方々と話をしていく中で、我々が持っている資源を有効活用できる可能性があるなと感じたのがここに進出しようとした最大の理由です。なんと言っても行政の方の熱量がすごく高かったので、これはぜひ協力しないといけないのではないかと思いました。

————サテライトオフィスの進出を検討している候補地の中の一つではない?
全く違います。そもそもサテライトを出そうとすら考えていなかったので。もともと長門市でIT拠点を作ってそこを核にして県外から企業誘致をしようという方針が打ち出されていました。視察に来た時にその候補地も見せていただき、そして今開設しようとしている先端教育イノベーションセンターの候補地も見ました。両方を見た中でここしかないなと直感的に感じたので、このSWEET ASで事業を開始するという意思決定をしました。そもそもIT拠点が開設されるのは2026年なので率先して早いタイミングで進出をして実体的な先行事例を作ってしまいたいという気持ちもありました。一番最初にお声がけいただいた時にたまたま社内でグラフィックデザイナーに対するウェブサイト構築のためのコーディング教育をしていた最中でした。だいたい社内で10人ぐらいに対してのべ時間50時間ぐらい教育してみた結果、だいたい0.8人前ぐらいの力量には到達することが確認されていたのでその実績をもって長門市に提案したところ、長門市でもぜひやってほしいという依頼を受けたということです。そもそもコーディングできるプログラムをかけるコーダーと呼ばれている人たちが今の日本市場においてすごく少ないんですね。不足をしている。なので、そもそもコーディング教育をすることに対する需要はあったという認識です。

地方での戦い方、育成と営業

若者が流出してしまうという最大の原因は、仕事がないということですので、都市部からそういった仕事を獲得してきて市内で育成された人たちによってそれらがこなすことができるという、育成するということと並行して仕事を取ってくるということにものすごく注力しないといけないのではないかと思っています。

事業紹介、稼げるDTPの開発

印刷会社を経営していた時代に、無謀にもDTPを自社開発したというチャレンジをしました。我々が当時開発目標にしていたのは稼げるDTPなんです。日本語DTPにとって一番難しかったのは折り込みチラシの紙面づくりです。コンピューティングパワーにものすごく負荷がかかる印刷物の代表選手なんですね。当時主流だったマックDTPでは到底スピードが追いつかなくて、稼げるまでに至っていなかったというのが現実なので我々はチラシを作れてなおかつそこでお金儲けができるぐらいのパフォーマンスを達成しようと、そういう開発目標を掲げています。なのでそういう意味では稼げるDTPの1号かもしれないです。

事業成功の秘訣

DX(デジタル・トランスフォーメーション)という言葉がありますよね。これがなかなか進まない。なぜ進まないかというと、道具から先に選んじゃうんですね。自分たちのやっている仕事の棚卸しをして、業務フローをきれいな形に再設計したのちにデジタル技術を投入しないとなかなか効果が出ないわけです。ところが業界のほとんどのプレイヤーさんが逆をやってしまったんですね。結果どうなったかというと、従来型の業務フローの上にデジタル技術を投入した結果、その分だけコストアップになってしまった。なので当然儲からないわけですよね。

我々は印刷会社でありながら技術開発をしたということは自らの業務フローを自らで変えることができた。これが非常に良かったと思います。当時、我々が目指していた目標のもう一つが多能工化でした。分離された単独の工程だけを受け持つ専門家ではなくて、複数のプロセスを一人でできるような機能をたくさん持っている多能工を育てるというのが目標だったんですね。そのためにデジタル技術を使ったとも言えます。なので、今回コーディングスクールをやりますけど、コードを書くという専門領域だけではなくてその前後のプロセスも多能工として扱えるような人たちになってほしいなと思っています。

新開発アプリの紹介

今回コーディングスクールに併設をして本格的なデジタル印刷機を使ったアプリケーションのショーケースを作りたいと思っています。どういうことかというと、一つの事例なんですが旅行者に対して旅行代理店がこれまで提供していたサービスというのは設計済みの旅行商品を多くの人に買ってもらうというサービスモデルだったわけですね。ところが旅行者お一人お一人はそれぞれ異なった興味のあり方があるわけですので、それぞれの旅行者にフィットしたパーソナルカタログを瞬時に作れるような仕組みができないかと前々から考えていまして、これは既にソフトウェアとしては完成しています。具体的には旅行したいというお客様に対して、旅行の知識を持ったコンシェルジュが対応して会話の中からそのお客様が特に興味を持っていらっしゃるコンテンツを引き出す。そしてそのコンテンツをその場でサーバーからハッシュタグ検索をして、それを引っ張り出す。必要なコンテンツが引っ張り出されたらその場で自動レイアウトをして併設されたデジタルプリンターから出力をするというサービスモデルです。

今後の展望

我々のやっていることはある意味実験ですけど、実験を長門市の方だけではなくて全国の方が見て自分たちもやってみたいと思って次々に長門市に集結するというのが展望です。

例えばスマートシティってあるじゃないですか。これもなかなかうまくいっている事例が多くなくて、カリフォルニアのスタンフォード大学の近くにゼロックスの研究所もあったりするんですね。これは知の集積体であるスタンフォード大学とビジネスのリーダーであるゼロックスが見事にマッチングした事例だと思うんです。そして見た目も格好いい。見た目が格好いいの重要なんですよ。

そしてそこに雇用機会が生まれるわけですよね。ただ研究開発しているだけではなくてそこに実際に働く人たちを吸引するっていう力があると感じています。なかなかスタンフォード大学のあのエリアのようなイメージを長門市で作るというのは一朝一夕にはできないんですけど、違った形であっても格好いい拠点ができたらいいなと思います。

地域再生ですから外から入ってきたよそ者だけでできるわけでは当然ないわけで。もちろん前から市の行政の人たちはものすごい尽力されていると思いますが、やれていることよりもやれていないことがまだまだたくさんあると思うんです。なので、その協力関係をより強固なものにしていくために飽きずにいろいろたくさんやりましょう。

INFORMATION

Visual Marketing 株式会社

住所
〒163-0245
東京都新宿区西新宿2-6-1 新宿住友ビル45F
URL
https://vmtokyo.com/