INTERVIEW長門で働く方々の声

INTERVIEW【対談】長門市職員 × 地元経営者で描く、長門市の「稼ぐ力」と「次世代への架け橋」

お話を聞いた人

長門市 企業誘致まちづくり推進課金川 さん

有限会社仙崎海産青村 さん

長門市では、新たな企業の進出を支援するだけでなく、地元企業とのマッチングを通じて新たな価値を創出する取り組みを加速させています。今回は、市役所で企業誘致を担当する金川さんと、家業を継ぐためにUターンし、DX化や労働シェアリングなど先進的な挑戦を続ける有限会社仙崎海産の青村さんに、長門市で働く魅力と未来の展望を語っていただきました。

「いつかは帰る場所」だった長門での再出発

(金川)
私は現在、企業誘致まちづくり推進課で主に補助金やセミナーの運営などを担当しています。青村さんは、今どのようなお仕事をされているのでしょうか?

(青村)
私は有限会社仙崎海産という、主にもずくなどの水産加工を行う会社を経営しています。来年で創業40周年を迎える会社です。私自身は、実は元々バイクの整備士になりたくて、仙台の専門学校を経てハーレーダビッドソンのディーラーで働いていました。でも、長男として「いつかは家業を継ぐ」という想いがあり、結婚を機に長門に戻ってきました。

(金川)
仙台から戻ってきて、改めて感じた長門の魅力はありますか?

(青村)
やっぱり「食」ですね。魚や焼き鳥など、地元の味は体が覚えているというか、どこで食べるよりも美味しいと自信を持っておすすめできます。それと、趣味のバイクや車、釣りを楽しむには最高の環境です。昨夜も友達とイカ釣りに行っていました(笑)。道も綺麗で走りやすいですし、遊びと仕事の距離が近いのは長門ならではの良さだと思います。

(金川)
そういう「遊びの好循環」があるのはいいですよね。私も山口県内の大学を出てからずっと市役所勤務ですが、青村さんのようなキーパーソンの方々と新しい仕事を作り上げる今の環境に、すごくやりがいを感じています。

補助金を活用し、アナログからの脱却

(金川)
青村さんの会社では、積極的にIT導入を進めているとお聞きしました。

(青村)
そうですね。これまでは受注から発送まで、ファックスを受け取ってホワイトボードに書き、工場へ走って指示を出すという完全なアナログ体制でした。ですが、県のDX補助金を活用して、自社仕様の管理システムを構築したんです。

(金川)
導入してみて、どのような変化がありましたか?

(青村)
タブレットで指示を確認できるようになり、手入力が減ったことでミスが劇的に減りました。慣れるまでは違和感もありましたが、今ではそれが当たり前になっています。人口が減っていく中で、「人にしかできないこと」に注力するために、機械やAIに任せられる部分はどんどん任せていきたいと考えています。

業界の垣根を越えた「人材シェアリング」の構想

(金川)
昨年のDXセミナーでも、青村さんは非常に積極的に発言されていましたよね。

(青村)
セミナーで講師の先生から「繁忙期が逆の企業と手を組めばいい」というヒントをいただいたんです。私たちの水産加工は春夏が忙しいのですが、逆に冬が忙しい蒲鉾屋さんと労働力をトレードできれば、年間を通して雇用を安定させられるのではないかと

(金川)
そのお話は、実際に具体化できそうな手応えはありますか

(青村)
実際に経営者仲間と「ガチ」で話し合っています(笑)。経営者同士の繋がりが深い長門だからこそ、こうした新しい試みも進めやすいと感じています。まずは小さな実績を作って、横に広げていきたいですね。

地元企業との「相乗効果」を目指して

(青村)
長門市の子供たちが「ここで働きたい」と思える場所にするのが私の目標です。そのために「ちびなが商店街」という職業体験イベントも続けています。都会の方が給料は高いかもしれませんが、長門で趣味も楽しみながら「仕事って楽しいぜ」という姿を背中で見せていきたいですね。

(金川)
市としても、単に雇用を生むだけでなく、進出企業と地元企業がマッチングして相乗効果が生まれることを一番の目標にしています。今、三隅地区にITサテライトオフィスを整備していますが、そこに入る企業様にもぜひ地元のキーパーソンたちと交流していただきたいです。

(青村)
進出される企業の方が「自分たちの強みはこれだ」とプレゼンしてくれる場があれば、僕たち地元企業も「ぜひ助けてほしい!」と手を取り合いやすいですよね。

(金川)
そうですね。交流スペースを活用したイベントなども検討しています。補助金についても、長門市民の雇用が条件になるものもありますが、それは地域に深く根付いていただくためのきっかけでもあります。興味を持っていただける企業様がいれば、私たちが全力で地元企業や地域との橋渡しをさせていただきます。

伝統を守りつつも、DXや労働シェアリングといった革新的な挑戦を続ける地元企業の存在は、進出を検討する企業にとって心強いパートナーになるはずです。行政と民間が同じ目線で「長門の未来」を語る姿に、この街の可能性を強く感じる対談となりました。